月日は流れ

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月日は流れ

あれから隼人とは連絡が着かなくなった。 いつの間にか引っ越していたことに気づいたのは、新しい入居者に会ったから。 そうか…そんなに嫌だったのか。 そうだよな、薬のせいとはいえ男の俺に握られて咥えられて、痴態を晒してさ…孔に指突っ込まれてさ。 俺だったとしても、二度と顔見れねぇわな。 【ありがとう、ごめん】 それだけ残して去っていった。 あの後しばらく、隼人を探して彷徨い歩いた。 香水関係の会社を片っ端から。 そして見つけたのは、あの時のクソエロオヤジだった。隼人の上司だった。 【え?君、知らなかったの?隼人くんは退職したんだよ?てっきり、隼人くんの想い人は君だと思ってたのに…え?隼人くんはゲイだよ。その界隈であの美しさは有名でね?でも抱いても誰の物にもならないって…俺とはセフレの関係だった…だけどあの日、好きな人ができたから関係を切りたいって言われてカッとして…後悔しているよ…】 ゲイか…誰の物にもならないって…好きなヤツがいたのに…俺は…なんて事しちまったんだ…謝りたいのにそれさえできねぇなんてな… 隼人…会いたい… もう一度会って、謝って…許して貰えたら… ちゃんとこの気持ちを伝えたい。 俺は…隼人を愛してる。 多分、あの高級ビールもらった時から。 じゃないとおかしいんだ。 このめんどくさがりの俺が、仕事以外で誰かの為に飯作るなんてさ。 社交辞令かもしれない一回だけならまだしも、何度も… アイツの旨そうに食う顔が見たくて、新作だってアイツの舌基準だった。 あの顔も、選ぶワインもデザートも…全てが俺のツボだった。 あの笑顔に会えるんだったら、何でもする覚悟はできている。 隼人…隼人… 全身であんたを欲しているよ、早く見つけないと… 誰の物にもならなかったあんたが… 誰かのものになる前に…
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