01*きみと、秘密の共有

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01*きみと、秘密の共有

「入学して早1か月。みんな、もう学校には慣れたか?」 「慣れた?」 「んー、微妙」 「まだわかんねぇよな」 朝のホームルームで担任の(はた)先生が発した言葉に、クラスメイトがボソボソと近くの人と話しだす。 入学して1か月たったとはいえ、まだそこまで学校生活に慣れない。 教室に入るときもソワソワふわふわしてしまう。 少しずつ、こんな感じなんだなってわかってきているくらい。 「部活動も本格的に始まるし、これからが勝負だからな」 「先生は何部の顧問なんですかー?」 「サッカー部だよ。部員待ってるからな」 「えー、じゃあサッカー部はやめとこ」 「オレもやめとこ」 「うわ、入ろうとしてたのに最悪……」 「なんでだよ!!」 クラスメイトのセリフに先生がツッコミを入れて笑いが起こる。 体育担当の先生だからなのか、先生の人柄が大きいのか、生徒たちにもフレンドリーで、すでに秦先生は人気がある。
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