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遺言書の内容
ガチャ。
実家のドアを開けて入る。
「ただいま。帰って来たよ。」
すぐにリビングに入ると、そこには両親とテーブルの上には遺言書らしき封筒が置かれていた。
「おう、あきらお帰り。元気そうだな。」
「久しぶり。父ちゃんも元気そうだな。」
「あんた、やっと来た!遅い!」
「うるせぇな。帰って来ただろ。休みだけど俺だって、やる事沢山あんだよ。それで、いったい何なんだよ。遺言書?」
「そうよ。おばあちゃんの家、片付けてたら遺言書が出てきたの。読んだ方が早いから今から読むから。」
そう言うと、その開けた形跡のある封筒を手に取り紙を取り出し読み始める。
遺言書
これを読んでるということは、ばあちゃんはもうこの世には居ないでしょう。
ばあちゃんは、もうすぐ死ぬ。
そんな予感がするんだよ。
だから、この遺言書を書いておく。
私の財産(お金)は無いけど、残された物が財産だ。
それを売ってお金にしてもいい。
それを売らずに持っておくのもいい。
その選択と権利全てを孫のあきらに託す。
だから、この遺言書を読んだ後は誰であっても、あきら以外の人がこの家の物を触ることは許さない。
もし勝手に売ったりなんかしたら、祟ってやるからな。
以上。
母ちゃんは、読んだ後テーブルの上に遺言書を置くと話始めた。
「そういう事だから、私達はおばあちゃん家の遺品整理出来ないから、あんたが全部やってね!おばあちゃんからの指名だし、あんたにしか出来ないからね。」
「えっ~!でもまぁ、母ちゃんも父ちゃんも、ばあちゃんと仲悪かったしな。こうなったのも何となく解るけどさ。取り敢えず、やるしかないか。たまたま、3日間の連休だしな。さっさと終わらせるか。」
「そうだよ!頑張って!」
俺は、その日から近くにある、ばあちゃん家の遺品整理に取り掛かった。
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