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ばあちゃん家の遺品整理
ガラガラガラ~
ばあちゃん家の玄関の扉を開けると、何とも言えない懐かしい匂いがした。
埃っぽいような匂いと仏壇の線香の入り混じった匂い。
これが、ばあちゃん家の匂いだ。
何だかホッとする。
すぐに居間へと足を進めた。
「あ~懐かしい匂いだな。はぁ~、俺にしか出来ないかぁ……ばあちゃん、それにしても物多すぎじゃん。これ数日で終わらないよな。」
俺は、その場でまわりを見渡し呆然と座っていた。
数分、思考回路が停止したが、すぐに取り掛かった。
「まずは物が少ない風呂場からやるか。」
風呂場に入ると、よくばあちゃんと一緒に入っていた、幼き自分を思い出し懐かしい思いに捕らわれる。
「お~懐かしい。これ俺が好きだったヒーローの人形じゃん。これ大事にしてたやつ、こんな所にあったんだな。ばあちゃん、とっておいてくれてたんだな。大人になってからも、もう少し、ばあちゃんに顔見せに来てたら良かったかな。」
俺はゴミ袋片手に心の中に暖かく切ない様なものを感じた。
ばあちゃんは、この家で1人どんな事を思い生きていたんだろう。
両親とも仲悪かったし、俺も来なくなってたし、1人寂しかったかのな……
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