思い出の食器類

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思い出の食器類

風呂場の掃除を終えて、次は台所へ。 食器類を片付けていた。 「お~懐かしい!これっ、俺が保育園の時に使ってた食器じゃん!ばあちゃん、こんなのもとっておいたんだな。どんどん成長して、小学生の時、ばあちゃんに、こんな子供の食器なんか使いたくないって酷い事言っちゃったな。 もう使わないのにな…… こんな食器でも、思い出が有りすぎて捨てづらいよ……ばあちゃん……」 ばあちゃんとの思い出に触れる度に俺の心の中に、こんなにも暖かく切ない気持ちが巡っていくなんて…… ばあちゃんは、こんな食器を何の為に残していたんだろうか。 俺は食器棚の引き出しに手をかけた。 「あっ、取れた!そうだった!この取っ手は、ただくっ付けてあるだけだった!これ俺が昔、壊したんだった。」 小学生の頃、ばあちゃんに、この引き出しに入っていたものを取る様に言われた記憶を思い出した。 「そうだ!あの時せっかちな、ばあちゃん、もたもたしてる俺に怒って急かすから焦って力ずくで引っ張ったら、取っ手の所が折れたんだよな。あれから、この引き出しを開けるのは大変だったんだよな。」 ばあちゃん、ずっと開けるの大変だっただろうな……
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