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「こんなところで集まってたら迷惑じゃない」
またしても正義面です。
「別にいいじゃん。天利さんの付き添いだよ」
「付き添い? 天利さんはトイレもひとりでできないわけ?」
「やだ、なに言ってんの。生理だよ、生理」
その言葉に珍しくAが黙りました。
「あれ? もしかしてAさんて……まだ、なの?」
誰かの問いに、Aは答えませんでした。意外な反応でした。Aは背も高く、割とどっしりとした体型だったので、もうとっくに生理がはじまっているものだとばかり思っていました。でも違ったのです。
わたしがトイレから出るとAは逃げるように教室へと戻っていきました。その日以来、Aは静かになりました。そう。わたしの願いが叶ったのです。
きっとAは、自分がまだ女として成熟しておらず、みんなから遅れをとっていることに焦りと羞恥を感じたのでしょう。小柄で華奢なわたしですら生理を迎えたというのに、身体の大きいAがまだだということに自身の未熟さを強く感じても仕方のないことだと思います。
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