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古代の出来事
事件の舞台に話を戻す。
黒姫山古墳に眠るのはその名のとおり、黒姫と名付けられた娘だ。彼女は丹比一族の娘に生まれ、成人の頃には時の大豪族、秦氏に嫁ぐことになっていたけれど、結果としてそうならず、父親によって抹殺されたのち埋葬された。二十歳前のことだ。
殺された理由は黒姫が生まれながらにして残酷で淫乱な性分だったからだ。まわりの者は彼女は魔物に取り憑かれていると信じて疑わなかった。
奇妙な話だけど彼女は幼少の頃、自分が男根を持たない女に生まれたことに腹を立てていた。
「ちんちんがない。童にはちんちんがない。なんでじゃ!なんでじゃ!」
十ニ歳になった頃には、男と見れば誰彼構わず部屋に呼び寄せ、股引きの前をめくり、男根をまさぐり出そうとしたんだ。
「ひ、姫、お止めください」
「やかましい、そのままじっとしておれ」
黒姫は柔らかくて生暖かいそれを両手に包み、その先端に唇をあてたり舌をチロチロと出し入れして刺激した。
「ひ、姫、お許しを」
姫は魔物に取り憑かれている、と男は思っている。だから逆らうことが出来ない。そんな男の意思に関係なく男根は刺激を受けて膨れていく。
すると姫はニッコリ笑って、
「おッ。でっかくなってきた」
怒張したそれを目に焼き付けると、姫は小さな口の中にぐいぐいと押し込み、その先から精のものが出るまで刺激を加え続けた。男は怖々目を開ける。するとそこにいるのは姫でも魔物でもなく、狐だったんだって。
「ひッ」
あわてて目を瞑る男。しかし刺激は治まらず、ついに男根は最高潮に達し、精をほとばしらせた。
どくどくと放出し終えると、じわりじわり男根は萎んでいく。しかし姫はまだ口吸いを止めない。後からにじみ出てくる精を残らず吸い尽くすまで離さなかった。
ところで男たちはただ我慢していたんじゃない。彼らは謎の力によって身動き出来ないでいた。彼女は鬼道遣いだったんだ。彼女は巫女の母の影響から幼少の頃から鬼道に親しみ、思春期までに多くの呪文を会得していたんだ。
そんなことを日を置かずにやっていたから、やがて両親に知られることとなった。しかし二人に娘の乱行を止めることは出来なかったんだ。
ところで父親がさすがに秦氏に嫁がせることは出来ぬ、可哀想だが始末するしかない!と判断した出来事がある。
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