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俺はなにかの間違いで過去から来た人間だ。
つまり世界でひとりだけ、『今』を生きてないわけで。
世界の理に反してるんじゃねーか、とは薄々思ってた、そしてそれは当たっていた。
何か、よく分からない存在が、俺を連れて行こうとするんだ。
過去に引き戻そうとする。
「ここにはいられない」
「戻ってこい」
そう言って無理に連れ戻そうとするんだ。
大人しく自分の元いた時代に戻らないと、どうなるか?
聞いた訳じゃねーけど、悟ることができたよ。
「存在が、消滅する」んだ。
過去には戻りたくないし戻る気はないから、いずれ俺は消えるだろう。
だから、せめてお前らと距離を置こうと思った。
消える時に、誰にも好かれてなければ、寂しくないと思って。
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