自分勝手な彼ら

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ーーーーー 「そんなこんなで、ミッフィーアンドハナちゃん復活じゃ」 お茶目たっぷりにミフネが横ピース、その隣でコノハナはぼーっとタバコを吸っている。 兄が、「一緒にやらん?」と言いたげな視線を送っているのも無視して。 清々しいまでのノリの悪さ。宅急便で例えるなら着払い拒否である。 「おい……何故こいつらを連れてきた」 低く唸るような不機嫌たっぷりの声で、クローバーはクレオに向けて問う。 「使えるからだ。彼女は泥棒稼業なのだろう?泥棒のことは泥棒が一番知っているからな。兄の方は特典だ」 言い様が酷い。 いつも以上に雰囲気が堅く、クレオもまた不機嫌そうだった。 使えるだとか道具のような扱いをされても、コノハナは気にもとめていない様子。 だがミフネは少なからず気に障ったらしい。 笑みはそのままに殺意が滲む眼差しをクレオへ向けていた。 クレオの招集の結果、総勢十名の主戦力が集まった。 工場からは、キース、ラスカル、二ルが来た。ベルトとカリンは不在である。 ブランクインからは神父、社長、クローバー、パティ。 それから、ミフネとコノハナ。 「で。作戦はあるの?」 「チームに別れて行動しようと思う。オズを保護する係、犯人をおびき寄せる係、そして司令塔係」 「何でオズを保護する必要があるんだよ。あいつ、俺様と同じ不死身だぜぇ」 「だろうなァ、首だけでも生きてんだからそれは察せられる。ただ、あたしとミッフィー以外のきょうだい達は、父さんを恨んでる。万一って事もあんだろうよォ」 言われて、社長は納得したようだった。当然、他の者も。 「ぼく、オズさんの保護係がいいな」 「俺とホプキンスもそっちに行く」 「え、私もです?……承知しました」 まず決まったのはオズの保護係。 メンバーはラスカル、クローバー、パティ。 「俺ァおびき寄せる係でェ……」 「とか言いつつ逃げないように監視する係は、私に任せてちょうだい」 「俺様もそっちでいいぜぇ」 「じゃあわしらもそうしようかの、ハナちゃん」 次に、おびき寄せる係が決まった。 神父、社長、二ル、ミフネ、コノハナだ。 「では私は司令塔に回る」 「じゃあ、僕も」 「……少年。何故君が?」 「クレオさんが心配なんで」 「……はあ」 最後にクレオとキースが司令塔に決定。 全員の役割分担が完了した。 「では、早速取り掛かってくれ」
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