自分勝手な彼ら

3/11
前へ
/195ページ
次へ
ーーーーー ラスカル、クローバー、パティの三名からなるオズ保護チーム。 彼らは、保護対象・オズが居る教会に向かった。 道中、やはりと言うべきかラスカルはやけに明るかった。 跳ねるような足取りで、長い三つ編みを揺らしつつ先をゆく。 反対にクローバーとパティは、絞首台に向かうような顔でとぼとぼ歩いていた。 「あれ、オズさんがいないや」 教会に到着して中に入るが、オズがいない。 敷地外には出ていないはずだが、どこかに隠れているのか? 「どうしましょう……三人で手分けして探しますか?」 「いや、二手に別れよう。俺はラスカルと行く。……ホプキンス」 ぽん、とクローバーがパティの肩に手を置く。 珍しく部下の身を案じているのか。 「いだだだだだ!!肩、肩ミシミシ言ってる!折れる!」 「お前、今回も役に立たなかったら、クビにしてやるからなァ……?」 と思われたが違ったようだ。 骨が砕かれる寸前で解放されるパティの肩。 激痛にうんうん唸って肩をさするパティを尻目に、クローバーとラスカルは進んでいった。
/195ページ

最初のコメントを投稿しよう!

7人が本棚に入れています
本棚に追加