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その頃。
パティが無事オズを見つけ出したところだった。
聖堂にて、ステンドグラスを背に存在する生首男は、何が起きているのか知ってか知らずか不明だが、とても愉しげに鼻歌を口ずさんでいる。
「ん。そこに居るのだあれ?」
「……私です、パティですよ。オズワルドさん」
「あらぁ、どうしたの、何で丁寧語?アタシのこと、いつもみたいにオズにいって呼ばないの?」
パティは押し黙っている。
拒絶が濃く香る沈黙に、オズはまた笑った。
「オズワルドさん、どうしてこんな事したんですか」
「あら、何の事?」
「……貴方の仕業だと思うことを、挙げていきましょうか」
ひとつ。遠山鎮巳を、コールドスリープしていた静句のもとに導いて恩を売った。
その代わりにテロ行為を働かせて、静神父を昏睡状態にまで追い込んだ。
ふたつ。キースを焚き付けて、ドーズを追い詰めた。
みっつ。例の、飴玉を作って配ったこと。
よっつ。自分の子供達に命じて、泥棒させたこと。
「これ、きっと全部貴方が仕組んだことでしょう?」
「うん。そう」
驚く程にあっさりとオズは認めた。
詰問しようとしていたはずのパティが、多少なりとも面食らってしまうほどに。
「よしっ。恋バナしましょ!」
「は」
「アタシの目的が知りたいんデショ?話の流れから察するに」
「それは……まぁ」
困惑するパティを差し置いて、オズはノリノリで喋りだした。
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