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『てめぇ、タダじゃ済まさないからなっ』
『響屋、やめてくれ。
お前の要求は何でものむ、頼むから一般人を巻き込まないでくれ』
丹治さんは水無月さんの怒号も、警視監と呼ばれた年配者の声もまるで耳に入らないかのように俺の髪を掴んで顔を持ち上げる。
「粗相はいけませんね。
次からは吐き出す度に歯を一本ずつ抜きますよ。、、、返事は?」
俺は本気とも芝居ともとれない丹治さんに頭を振って応えるのが限界だった。
「、、、、(声、出ない)」
「弱いですねぇ、この程度で声帯やられるとは」
丹治さんが立って行き、酒瓶片手に戻るなり俺の頭の上から発泡する酒をだばだばと浴びせた。
「ひぃ、、、ひ、、」
汚れた顔を洗い流し、今度は俺の後頭部を引き寄せた。
嫌だ嫌だと首を振る俺に唇を合わせ、自ら含んだ酒を流し込む。
妙な薬、
酒、
精液、
それらを吐いた後飲まされる酒。
腹は痙攣し、焦点が定まらない。
『響屋さん、関係者二人と共に結城さんが見えました』
しばらくしてパソコンから報告が上がると丹治さんは立ち上がった。
「森山田をその関係者とやらに渡してやれ。
森山田さん聞こえますか?
いい機会だから覚えといて下さいよ。
世の中には踏み込んではならない事情と一線てものがあります。
それは、貴方が反社会的勢力と呼ばれる我々にこれだけの制裁を受けても警察の上々がうやむやにすることで証明されますからね。
解ったら二度と嗅ぎ回らないことです」
続けて丹治さんは言った。
「結城さんをここへ」
『響屋、その前に汰士を解放しろ』
水無月さんの言葉に丹治さんは鼻で笑った。
「水無月さん、我々は結城さんを介して持ちつ持たれつの関係でしたが、やはり無理があったようです。
森山田のタレ込みがいい例ではないですか。
二度と面倒が起きないよう、我々もここらで一旦ケジメつけましょうや」
俺の記憶の限り、この駆け引きの間、
丹治さんは一度たりとも警察に主導権を渡さなかった。
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