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「汰士君が響屋にされた事を踏まえれば、その仮定はちょっと無理がありませんか?
第一、結城さんは一課どころかSITにすら気を許さない人ですよ?
森山田がタレ込んだ『二人の不適切な関係』自体、今だに信じられないほどです」
「だろうな。
けど、お前も見ただろが。
結城はエンコ詰めることに秒の躊躇もなかった。
神エイムと囁かれたSITの精鋭が、ガキ一人の為に大事な人差し指を何の迷いもなく、むしろ進んで落とした。
結果、汰士は結城の手に戻り、交渉人として人命救助を果たした結城はSITから外されることにはなるものの咎め無し。
響屋について言えば、ここにいる警視監とその上の奴らが ひた隠しに隠していたブツが柳洞組に渡ったことによって頭から更なる信頼を得、俺達はと言えば実質上弱体化の憂き目に遭い、ついでに弱みまで握られたってわけだ」
「なるほど、、、。
あ、そう言えば結城さんの手首に埋め込まれていた金属の筒は一体何だったんですか?
確か『追跡装置』とかなんとか、、、」
「あーもういい、もういい二人とも。
頼むからそれ以上口を開くな」
白髪交じりの警視監は片手を上げて水無月と鴨川の会話を遮り、苦々しい顔で目の前の茶を啜った。
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