孤独の認識

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カナダ南西端までたどり着いた。そこには、雪に埋もれた町があった。とても人が住める状況ではない。ほぼ全てのガラスは割れ、民家の屋根は雪の重さで潰され、とても酷い惨状であった。 町の中で、スノーモービルを発見した。燃料はとうの昔に切れていたようだが、燃料さえどうにかなれば動くようだ。第7ポッドの残燃料を持ってきてよかった。燃料収容機の規格は違うようだが、規格の違いなどは僕の気にも触れなかった。子供の頃から機械いじりに没頭し、宇宙飛行士になる前は日本有数の車産業の会社で技術員をしていたのだ。 ドライバーで収容機を分解し、直接スノーモービルと接続していく。ほんの数分で、スノーモービルは稼働可能な状態へと戻った。 スノーモービルなど運転した経験はないが、ハンドルなどの形状から見て、バイクのような運転の方法のようだ。エンジンをかけ、クラッチを握り、アクセルをひねる。低い重低音が鳴り響いた。成功である。 僕は修復したスノーモービルにまたがり、銀世界の中をシリコンバレーへと進むべく南下していく。
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