800年の空白

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800年の空白

UNIFSとはUnited Nations International Fuel Solutions(国連国際燃料解決議会)である。ほぼ全ての化石燃料を使い尽くしてしまった地球を、風力発電、水力発電などの再生可能エネルギーで賄うことはほぼ不可能であった。そこで、化石燃料に代替可能な新規エネルギーの開拓を世界中から一任された組織、UNIFSが作られた。 UNIFSが「代替可能な新規エネルギー」として考案したのは、反物質より生成可能なエネルギーであった。そのエネルギーの元となる反物質は、極めて重力が強いブラックホール近辺の小惑星で入手が可能との予測がされていた。 そこで、NASA、JAXA、ロスコスモスなど世界各国の宇宙開発に携わる機関から精鋭を招集し、対策チームが作られた。対策チームに所属するメンバーはエージェントと呼ばれ、それぞれ特殊な技能を持っていた。 どうやら僕は機械いじりに精通していたらしく、JAXAから声がかかった時には、多額の給与に目がくらんで二つ返事で了承した。 了承したのは良いものの、僕は英語が話せない。試運用期間の間に必死に英語を勉強して、何とか必要十分な英会話能力を手に入れた。
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