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エージェントに対して、マニュアルが配られた。その文頭には、『緊急事態が発生した場合には自動的にコールドスリープから目覚める』『目覚めたあとの対処は考えられる全てのケースをこのマニュアル内に記載している』と書かれていた。
心強い言葉である。マニュアルはPDA内にデータとして渡され、簡単にケース毎で検索が可能であるらしい。
各個人での任務であるため、本来の宇宙飛行士にあるべき集団生活のテスト等は一切なかった。他のエージェントとの面識は初めて招集された日に軽く自己紹介した程度であった。
僕は、予定された出発日に地球を離れ、無事に目標のバアル星雲ブラックホール付近で目覚め、反物質の収集に成功してコールドスリープ状態へと以降した。
反物質の収集を報告した際には、本部との連絡はきちんと取れていたので、800年のズレが生まれたのはその後のことだろう。体感約2年の帰路につき、太陽系付近で目が覚めた。
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