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生還されど孤独と絶望
ーー任務を遂行し、無事地球に帰還した。
「こちら第7ポッド操縦士、桜部 悠。作戦本部に伝達。任務を遂行し、地球へ帰還した。着陸点はカナダ北部。応答を求む」
……返事はない。大気圏に突入前、既に分かっていた。地球はもう、出発前の正常な状態ではなかった。
何百年前の大先輩である、ユーリ・ガガーリンは「地球は青かった」と言ったという。彼の言葉を借りて言おう。
「地球は白かった」
大気圏突入前、この惑星の見た目は僕の知らない星だった。白一色の惑星。青かった海は氷で覆われ、緑が美しい山々はとうに無くなっていた。
「応答信号の反応無し。これからアメリカにある作戦本部へ向かう。ログ終了」
宇宙飛行服に搭載されたレコーダに録音を完了し、僕は静かにヘルメットを取った。粉雪の降る、一面の銀世界がそこには待っていた。
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