秘密

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秘密

僕が目を開けると白い天井。 …あぁ、また。 「起きたか?小雨。」 「迷惑、かけました。」 海さんの声に反射的にいった。 「いや、俺はいい。 でも、小雨ちゃんを心配してたよ。」 海さんが笑って言う。 「小雨。」 神楽がはいってきた。 「…耳のことなんだけど、いつから?」 「いつ?」 僕は答えられない。 脳が停止寸前だったからか、 「ずっと、前。」 こう答えるしかなかった。 …不意に眠気を感じた。 僕がもう一度起きると、真っ暗になっていた。 カーテンはしまっている。 意地で立ち上がる。 点滴を抜いてから入院の服から普段の服に着替えて、扉から顔を出す。 誰もいない。 肩掛けの鞄を握りしめて壁に手をつきながら歩き出した。 階段も危なかったがなんとかセーフ。 裏口から出て座りこむ。 僕の音を取られるくらいなら…死んでやる。 …スマホをきってから立ち上がった。 僕は目的地に着いてからスマホをタップする。 明るく光り、メールがたくさん来ていた。 …もう、帰ってきたよ。 屋上から景色を見ている。 東京の光を綺麗だと思ったのはなぜだろう。 多分今から飛び込むからだ。 「やっぱり、小雨、ここにいた。」 「雨、降ってきたね。」 僕は小さな段差に座りこむ。 「小雨、私に聞かせてよ。 どうしてここにいたいのか。」 …さぁね。
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