1人が本棚に入れています
本棚に追加
/34ページ
人間らしい家族
あの不思議な体験をしたあの日から数週間たったが、忘れられずにいる。
小雨への今までの大人しいというイメージをひっくり返されるような感覚。
消えてしまうような影の薄さを今まで知らなかったのが悔しいという感覚。
そういえば…私は彼女の誕生日も家族との思い出さえも聞いたことがない。
優雨の口からも聞いたことがなかった。
優雨の口から小雨という名前を聞いたことがない。
…あの家族は誰もが拗れていて、誰もが大きな秘密を抱え込み生きている良い意味で人間らしい家族だったのを思い出した。
最初のコメントを投稿しよう!