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スリープモード
小雨ちゃんが退院してから一週間たってから、
また、引きこもってると聞いて
「小雨ちゃん―。」
部屋の扉の鍵が開いていたのではいった。
そこには相変わらず暗い部屋。
リビングに踏みこむと、グシャと何かを踏んだ。
「電気、つけますねー。」
僕がつけると。
誰が見ても引くであろう部屋が広がっていた。
本当に僕で良かったよ。
部屋中に落ちている紙。溜まりきった洗濯物。
キッチンは使われていないようだった。
本が積まれていて、肝心の小雨ちゃんの姿が見えない。
「誰…ですか?」
洋服の山で埋もれたソファから小雨ちゃんが顔を出す。
「お茶、出しますね。」
「いや、まずは部屋の片づけをしない?」
「確かに最近、忙しかったから。」
エヘヘと、困ったように笑う。
「あの、薬、ありませんか?
確か、この前まではあったんですけど。」
「これじゃない?」
「あぁ、これ!ありがとうございます…」
薬を受け取ったと思ったら小雨ちゃんは後ろに倒れていった。
…スリープモードにはいっちゃった…。
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