スリープ機能も

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スリープ機能も

「あのぉ、神楽ちゃん―。」 小雨の様子を見に行ってくれていた彼の声が玄関から聞こえた。 「なにぃ?」 私は、キッチンから顔を出すと「小雨ちゃんがスリープモードに入っちゃって背負ってきたよ。」と彼が笑って言った。 …またですか。 背中で寝ている小雨は手にグシャグシャになった薬の箱を握りしめていた。 「他に薬、なかった?」 「これしか、見つからなかったよ。」 …これもまたですか。 私は、鞄を開けてタオルと薬のポーチを出した。 これと、これと、これと。 「コップ、借ります。」 私は、てきぱきと動いていたからだろうか。 「手慣れてますね。」と蒼さんが言う。 「そうですね。 皆さんが気づかないだけで小雨が元気な日なんてないですから。いつも皆の心配をして、私が寝ろと言うまで寝ない日もあります。…小雨、飲んでねー。」 小雨が震えた手を伸ばして薬を何個も水で流し込むのを見てから言った。 「小雨、私は部屋の片づけしておく。無理しないように―。」
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