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秘密
僕は、隠していたライターをランプの代わりにして地下を歩いていた。
僕が所属する特殊任務科は訳ありが集まるから地下に事務所がある。…皆には秘密だよ。
「あぁ、久しぶり。」
市川さんがコーヒーをがぶ飲みながら言う。
「…久しぶりです。今回は二人だけですか?」
僕は扉を閉めてから言った。
「そうだよ、なに…おっさんと組むのは嫌かい?
傷ついちゃうなぁぁ。」
いつもの調子で絡んでくる市川さんを避けながら黒のソファに歩いていく。
「…本題にいきますか。」
僕は、市川さんの横に座る。
「…ちょっとやっておきたいんだよね。」
市川さんが資料を見ながら言う。
「何かあってからじゃ遅いですもんね。
わかりました。明日、開けてもらいましょう。」
スクリーンに写っている予定を見て僕は、言う。
「そうだね。寮で予定を詰めておいて欲しいな。
俺もやっておくから。」
「はい。わかりました。では。」
そう言って扉を閉めてから僕は、タバコに火をつけた。…皆に見られたらどうしようなんて思った。
滅多にならない電話が鳴った。
「もしもし」
「小雨、集合場所を変えよう。」
社長がそう言った。
「良いですよ。」
…変えてくれて良かったよ、ほんとにさ。
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