Protocol of Spectral

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「余計な行動を慎め!」  バッタは秘密計画リーダーに厳重注意された。常にC2迷彩シーツを被る事を義務付けされた。  それでもバッタの悪戯心は消えなかった。雪山で手製のスノーボードを楽しんでいるのを目撃され「イエティ」と呼ばれたり、真っ裸で海で泳いでいたのを大魚に襲われ下半身まで飲み込まれ浜辺に逃げて踠いていた姿が「人魚伝説」になったり。  そして時を経て四大宗教に繋がるバラモン教の誕生に立ち会った。  常に危険と隣合わせだったバッタたちはバッタバッタと死んだ。  その度に未来からアンパンマンの顔よろしく、新しいボディーが送られ遺志を引き継ぎ時代の恒久を駆け抜けた。  バッタにとって忘れられない恋があった。  それは古代ギリシャ大衆浴場にはまった時の想い出だ。  彼はひっくり返したC2シーツをヒマティオンのように身体に巻き付けて風呂に向かった。  そこで出逢ったのが彫刻家の美青年リュシッポスだった。
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