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「十分に発達した科学技術は、魔法と見分けがつかない」
そう発言したのはSF作家のアーサー・C・クラークだ。
未来で革新的な技術が開発されたとしても、それを発動させる呪文を書けるのはプログラマーだけだ。
特にヤマモトは顧客満足度ナンバーワンのアンダーカバーな敏腕プログラマーだった。今の彼の秘匿名『バッタ』の元来の意は十割打つホームラン・バッターだったが、今はその隆々とした大腿筋で忙しく跳躍して回ることを揶揄された「殿様バッタ」が短縮されたものだ。
彼は潤沢な予算あるプロジェクトからの依頼であっても、ソリッドな真に必要である核心まで無駄を削ぎ落とす。大吟醸フレーバーなのに驚く程の低価格で案件を仕上げるローコスト・ローカストだ。
順風満帆に思えるバッタのビジネスに脆弱性が見つかった。それは来る者を拒まず困っている者を見捨てずな漢気からの安請け合いが仇となり、不当なダンピング競争を生んでしまい、仲間のスタッフに過酷を強いる結果となった事だ。
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