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参加を依頼されたプロジェクトの内容は、時間逆行機を使って世界四大宗教の起源や古代ギリシャローマ文明の多神教の謎を究明し世界史を観測し修正補足する事だった。
「今さら意味のある行為ですか?」
バッタはリモートで尋ねる。
「平均寿命が百歳越えの現代では死後もメタバースへの精神数値化移行のセカンドオルターライフの隆盛で、死生観の大転換期を迎え宗教消滅が危ぶまれている。それを良しとする富裕層は西暦の廃止を訴え、紀年法の見直しと新世紀に相応しい改元を唱える動きさえある」
有識者は画面の中で応える。
「超進化した時代に宗教が滅びたとて......」
バッタは口を挟む。
「飽和した過剰な娯楽が暫しの平穏を与え、人は神への祈りの時間を蔑ろにし信仰を心の片隅に追いやった。もはや宗教は人々の生活の中心に存在しないと説く輩も存在する。魔法と紙一重の科学進歩が人類から不安を取り除いても世界からは貧困の差は無くならないし、奇跡を享受出来ぬ飢えた子供たちは秒単位で死んで墓碑も持たず歴史から抹消される。それが正しい未来と言えるのか? だから私たちは過去に遡り既存の宗教を精査して、新しい平等を布告する必要があるんだ」
闇のプロジェクトリーダーは語った。
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