Protocol of Spectral

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 志し高き実業家、野望持つ政治家、宗教学者、歴史学者、哲学者、医療従事者、傭兵などからなる逆行チームにバッタが招集されたのは、過去観測情報で5Dマップを常に最新アップデート状態に保つ為だった。  チームは事前に入念に検討した歴史のターニングポイントに合わせ時間と距離の座標を現在と二重露光させタイムラグの無い移動を何度も行った。  跳躍した母船を衛星軌道上に保ち、各人は地に降り立った。未来からの使者である存在を隠す為、電磁メタマテリアルの表面プラズモン共鳴を利用した『C2光学迷彩(see it's Optical camouflage)』と呼ばれる大判の四角いシーツ状の化学繊維を頭からすっぽり被っての隠密行動だった。  C2迷彩繊維は風景に完全に溶け込む(invisible)為に所在が認知出来ず、置き忘れ防止に裏面は普通のシーツのように真っ白だった。  時折、表裏を間違えてしまった高齢の参加者は棺覆いの布を被ったオバケみたいな姿で現地人に目撃されてしまった。  見つかった何人かの同志は命を落とした。けれど皆は退かず、正史の為に生死(spectacle)を賭けて挑んだ。その陰で飄々としたバッタは精子(sperma)をかけて楽しんだ。  結論から言えばオペレーションは大失敗だった。
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