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バージンロードを美しい花嫁とその父親が入場してくる。
参列の人々の拍手と歓声。
健斗は優しい微笑みで花嫁を見つめていた。
隣に座る龍崎さんは、私の手をそっと握ってくれる。
私は応えるように、指に力を入れて握り返した。
結婚式の二次会には、会社関係や友人がたくさんお祝いに来ていた。
そこには、取引先の知り合いとして早乙女さんも来ていたのだ。
「鈴木さん、龍崎、久しぶりだね。」
「早乙女さん、来てたんですね。」
「恵美ちゃん、今日は一段と綺麗だよ。」
「早乙女さんも素敵ですよ。」
すると、龍崎さんは、私を引っ張り、早乙女さんから遠ざけた。
「早乙女、恵美を名前で呼ぶな!」
「恵美ちゃんの方が親しみやすくていいよね…」
「お前が親しむ必要ないだろ!」
早乙女さんはクスッと笑った。
「やだやだ…妬いてる男は最低だよ。」
私も思わずブッと吹き出して笑ってしまった。
「お二人とも、とても素敵ですよ…周りの女性がみんな見てますよ!」
一度は残酷な運命と思ったけれど、こんなに素敵な人達と出会えたこと…
…私は幸せです…
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