気になる過去

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「…恵美ちゃん…辛い話だよね…でも…最後まで話は続けるよ…良いよね…?」 「…はい…大丈夫です。」 何故か、私は圭吾の過去から逃げてはいけないと感じていた。 早乙女さんの表情からも痛いほど伝わった来る。 早乙女さんは静かに話を続けた。 「龍崎の努力は彼女にすぐに見破られてしまった。彼女は彼の気持ちに気づいてしまったんだ…。僕はね、彼女から相談とお願いをされていたんだよ。」 「…っえ?」 「恵美ちゃんを調べて欲しいとね…」 「僕は、本当のことを伝えるべきか悩んだ。でも、伝えることにしたんだ。」 「私のことをですか…?」 「…そう…君はルシファーが愛したリリスの生まれ変わりだと言うことをね。」 私はこの先の話を聞くことが恐くなった。 手が冷たくなり、なぜか震えている。 「その事実を知った彼女は、大きな衝撃を受けてしまった。僕の所為かも知れない!」 「…彼女は…その後どうされたのですか?」 「自ら…命を絶ってしまった…」 「…う…噓でしょ…そんなことって!」 「最後の言葉は、君と龍崎が幸せになって欲しいと言っていたんだよ。」
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