体調が悪い?

1/6
62人が本棚に入れています
本棚に追加
/131ページ

体調が悪い?

「恵美!おはよう!」 京子は会社の入り口で、ポンと私の肩を叩いた。 「…京子、おはよう…」 京子は私の顔を覗き込んだ。 「…恵美、なんか顔色悪いよ…具合悪い?」 私は朝から貧血のようで、くらくらとして体調が良くない。 「…うん。貧血かも…」 「…大丈夫?休めばよかったのに…龍崎部長は体調が悪い事、知っているの?」 「圭吾は出張で、朝早く出ているから知らないの。でも大丈夫、もう少しすると良くなりそう…」 私は自分のデスクに座り、息をフッと吐き出すとキーボードに手を伸ばした。 朝よりは少し体調は良くなっているが、なぜか吐き気もする。 暫くすると、マネージャーが呼ぶ声が聞こえて、慌てて立ち上がった。 …っあっ…目の前が真っ暗…私、倒れるかも。 まわりの景色がスローモーションに見える。 私はその場で倒れ込み、意識を失ったようだ。 うっすらと、京子の声がしたのは覚えている。 誰かに呼ばれている声を感じて、目が覚めた。 ゆっくり目を開けると、白い天井が見える。 「…恵美…恵美…大丈夫!」 女性の声に気が付き、声の方を見ると、京子が泣きそうな顔で横に居た。 「…京子、私…どうしたの…?」 「…恵美、良かった。気づいたんだね。」 「…ここは?」 「病院だよ…恵美は気を失って会社で倒れちゃうから…びっくりしたよ!」
/131ページ

最初のコメントを投稿しよう!