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営業部は、毎朝全員でミーティングを行う。
今日もいつも通り課長を中心に皆が集まった。
連絡事項等に続き、後ろに立つ一人の男性を課長が前に案内する。
紹介されたその男性は、一歩前に出て挨拶を始めた。
「今日から営業部に配属となりました、龍崎圭吾です。これからよろしくお願いします。」
耳に心地よい低めの良く通る声だ。
女性社員達がひそひそと話し始める。
「やばっ!超イケメンだよね…ラッキー。」
私の隣では、同期入社の西条京子が片眉と口角を上げて、悪戯な笑みを浮かべた。
「龍崎部長、カッコいいよね…絶対に落とす…ふふっ」
京子は学生時代からミスコンで優勝するほどの目を引く美人だ。
大きな瞳にプルンとした唇。艶やかな黒髪ロングヘアーが京子の特徴だ。
「京子、彼がいるのに…落とすって…だめだよ。」
「あんなに美味しそうな男、味わってみたいもん。恵美は健斗一筋だけどね!!」
「もぅ、京子はそんなことばっかり!」
自信たっぷりな京子に、私は溜息をつきながらも、少し羨ましくもあった。
京子はいつも自由で明るく、不思議と人を惹き付ける魅力がある女性だ。
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