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このままな訳にいかず俺は店員を呼び、俺と彼女の支払いを済ます。
「真琴、真琴」と声を掛けるが、彼女からは「ん〜?」となんとも可愛らしい返事が返ってくる。
半分眠りの世界に入っている彼女を抱き上げる。
「きゃあ」
店の女性客が黄色い声を上げ、俺と真琴の姿を羨望の眼差しで見ている。俺は構うことなく店を出る。
支払う時に頼んでいたタクシーが店の前に到着していたので、真琴を抱いたまま乗り込み俺が泊まるホテルへと連れ帰った。
本当は、彼女と想いが通じ合うまで待つつもりだった…
だが、目の前には無防備に眠る彼女。色気がダダ漏れだ。名前を呼ぶと色っぽい吐息が帰ってきた。
俺は、自分は理性の塊だと思っていたが、真琴の魅力に負けた。
長い間思っていた彼女。男の俺が理性を捨て去り彼女を揺さぶり続け、気がついた時には朝方になっていた。
気持ちよさそうに眠る彼女を起こすことが出来ず、メモだけ残してドバイに戻った。
よく考えたら『仁』では、彼女には伝わらないのだが、この時は気づきもしなかった…
そして、俺がホテルに真琴を連れこむ姿を見ていた人物がいたとは、思いもしなかった…
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