全力の愛

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 慌ただしくホテルをチェックアウトし、仁の車でオフィスビルの近くまで送ってもらう事になった。仁は、車でそのまま空港に向かうという。 「仁さんもこの後フライトなのにすみません」 「真琴、少しずつでいいから、普通に話してくれ。敬語じゃよそよそしい。飛行機の中で仮眠を取れるから大丈夫だ」 「それならいいんですが…あっ、いいんだけど…」 「真琴は可愛いなぁ〜」 「可愛いなんて初めて言われました」 「まあ、綺麗の方がピッタリか」 「そんな、言われたことないで、あっ言われたことないよ」 「プッアハハハハ。真琴といたら退屈しないな」 「もう〜」 「真琴」と急に真剣な声になった仁。 「はい」 「花田さんに相談するつもりだが、三ヶ月後の日本でのレセプションで、俺達の婚約を発表したい。で、ドバイでのグランドオープンに結婚式をしよう」 「…」 「嫌か?」 「急に具体的な話になったので驚いて…あの夜の相手が仁さんで心から安堵したし、素直に嬉しかったんです。遠い存在だと思っていた仁さんが私をずっと守ってくれてた事実も胸に響いて温かい気持ちになったの。一瞬で仁さんに惹かれたんだと思います」 「真琴…本当は俺は今すぐにでも連れ去りたいが、花田さんも困るだろう…」真琴の言葉を聞き、更に離れがたい。
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