15人が本棚に入れています
本棚に追加
/12ページ
アヌビスに黄金の冠が被せられた瞬間!
宮殿は跡形もなく消え、深い緑の森が広がった。
森の中には色とりどりの花が咲き乱れ、楽しげな小鳥の鳴き声が聞こえてくる。
「どういうことかしら?」
赤ずきんちゃんは、狼に尋ねた。
狼の姿のままのアヌビスは答えた。
「スピリチュアル・フレアは、魔術を使う魂が望む平和と幸福な世界を映し出すんだよ。ヴィーナス陛下にとって豪華な宮殿は平和と幸福の象徴だった。スフィンクスが最高の権威を示す姿だったのだろう。オレにとっては、狼として赤ずきんちゃんと遊んだ地球の春の森が、今まで生きてきた中で、最も平和で幸福な世界だったからな。ありがとう。愛してるよ、赤ずきんちゃん!」
アヌビス陛下は、赤ずきんちゃんと共に、今も太陽系の平和を守るため奮闘している。
赤ずきんちゃんの優しさと恋の芽生えが、荒くれ者の狼の心を動かし、やがて宇宙の平和を見守る深い慈愛をアヌビス陛下に芽生えさせることになった、瓢箪から駒な物語。
面白かったかな?!
最初のコメントを投稿しよう!