僕が、変える

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朝食の後片付けをしている時に「施設長が呼んでるよ」って、言われた。 ため息しか出ない。きっと、ろくなことじゃない。終わったかもしれない。 また地獄の日々が始まるのかも。 ここには、顔が変わっちゃうぐらい殴られたのに、父親のこと、大好きっていう奴もいる。 以前、本で見た捕虜収容所の人たちみたいに、ガリッガリに痩せているコは、栄養失調で生死の境を彷徨って保護されたのに、それでも、母親が大好きで、迎えを待っているって言ってた。 好きですか。そうなんだ、あんなに酷い目にあわされたのに。 まぁ、別にいいのか、他人事だし。 そんなのと再び暮らすことになったら、遅かれ早かれ、絶対に殺されちゃうだろうけど、それは仕方のないことですか。 ため息しかでない。僕は帰りたくない。ここでいい。 理由もなく殴られるのは嫌だ。 ちゃんとご飯が食べたいし。 いろんなことを勉強したいし。 他の人とも話がしたいし。 ねぇ、どうして、僕はまた、地獄に引き戻されなきゃならないの?
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