警察

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警察

私は埼玉県川越市から電車で東武東上線急行で渋谷まで向かった。昔より電車の本数もあり、一直線で渋谷まで行かれるようになった事を中村玲子は感謝していた。 中村玲子は渋谷の駅を降りると土砂降りの中、 渋谷区渋谷東署に走りながら向かった。 土砂降りで走るとバシャバシャ音がする。今の中村玲子には水溜まりさえも目に入らなかった。 中村玲子は渋谷区渋谷東署に着くと入口のところにいる警察官に声を掛けた。 「あの~私、中村哲也の姉の中村玲子ですが~弟が~自殺したって電話をいただいて~な、何かの間違いだと思いますが~間違いですよね?だって弟は就職して一人暮らしを始めて仕事にも慣れてきたばかりなんですよ。そんな弟が自殺なんてするはずない死んだと言うならきっと殺されたんです。 だっておかしいでしょう?仕事にやっと慣れてきて仕事が楽しいって言ってたのに、自殺するなんて~」 中村玲子は涙を堪えながら警察官に訴えていた。 二人の警察官は下を向き俯きながら「お気の毒ですが~こちらに」 そう言って「警察署遺体安置室」に中村玲子は案内された。 中村玲子はあまりにも変わり果てた青い顔の弟の 中村哲也を見てただ、ただ泣き崩れた。 中村玲子は警察官の二人に言った。 「どうして?どうして哲也が?哲也は就職してまだ一年もたってないんですよ。会社は楽しい社長はいい人だし、同期の友人もできたってよくメールで話してたんですよ?とても悩んでいる様子なんてなかった。哲也はいつも少しずつ私に仕送りしてくれる優しい弟です。今までずっと、弟と二人で生きてきました。悩みがあったらいつも私に話してくれます。 一昨日この会社に入社してよかったよ。社長は社員をファミリーって呼んで大切にしてくれるって言ってたんです。もっと給料貰えるようになったら私に恩返しするから、美味しいもの奢るから~ゆっくり温泉にでも行こうよ。 そう言ってたんです。お願いです。調べてください。きっと弟は殺されたんです。遺書がないのはそのせいです。哲也が私を残して自殺するはずありません!お願いです。哲也の無念をはらしてください」 中村玲子は泣きながら言った。 警官の向田翔琉と増田翔太は中村玲子に言った。 「お気持ちは察します。お気の毒に……。 でも、自殺した人の家族はみんな言うんですよ。 電話でこの間まで明るく話していたとか旅行の約束をしていたのにとかね。 自殺する人はまわりに気を遣って明るく話すんですよ。心配かけたくないと……。私は何人もそんな自殺した仏様の家族を見ています。それに中村さん首に縄の後がありますよね。哲也さんの会社の前の公園で首を吊って死んでいたんですよ。 一番大きな木の枝にロープをくくりつけてね。 中村さん。きっと、哲也さんは誰にも言えない深刻な悩みを抱えていたんだと思います」 中村玲子は言った。「哲也はそんな弱い人間じゃない。きっと殺されたんです。それじゃなければ 死ぬように仕向けられたんです。お願いします。 捜査してください」 向田翔琉警部は「済みませんが私達は自殺だと断定しています。解剖にまわしますか?」 中村玲子は「わかりました。私が調べます。弟の無念を必ず、必ず張らしてみせます。本当に自殺で処理していいんですね?もし、違っていたらどうするんですか?本当に不信な事はないんですか?」 向田翔琉警部は言った「不信な事かどうか?はわかりませんが、玲子さんあなたの弟の哲也さんは玲子さんには見せない一面があったようです。 殺されたとすれば怨みだと思いますよ。 それでも調べますか?」 中村玲子は「調べてください。お願いします。私も独自に調べます」 警察官にそう言った。 「哲也の葬式が済んだら私は独自に哲也を殺した犯人を突き止めます。私は哲也を殺した犯人を許せない!哲也は自殺なんかじゃない。死ぬように仕向けられたか?殺されたに違いない」 中村玲子は向田翔琉と増田翔太警部にそう言った。 この日から玲子は哲也のお葬式が終わったら自分のこの手で哲也を自殺に見せかけて殺したか自殺に追いやった犯人を絶対に見つけ出す。私の家族は哲也たった一人しかいなかったのだから……。 私は十年前の今日そう固く誓った。。。 なのに、まだ私は弟の捜査の途中だ。でも、いろいろな事が少しずつわかってきた。哲也を殺した犯人は未だにわからない……。私は哲也の会社に近づくにはどうしたらいいか?考えていた。 でも、私はあの日から調べれば調べるほど、哲也の裏の顔がわかってくる。もしかしたら?恨まれて殺されたのかも知れないとさえ思うようになってきてしまった。このまま調べるべきか? でも、哲也の裏の顔も勘違いから始まったのかもしれない。中村玲子は弟の哲也を信じていた。 あの時、十年前の今日、哲也のお葬式をした。 そのお葬式で私が知らなかった哲也の一面に私は驚かされしまった。。。
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