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十年前
あれは……。確か十年前
私の携帯が鳴った。
「はい、そうですが中村哲也は私の弟ですが~」
「警察の者です。弟さんが自殺されたようです」
「弟が自殺?何で?遺書は?」
「遺書は見つかって無いんです。今詳しくお話しいたしますので、渋谷区渋谷東署にお越しいただけますか?」
私は会社を早退して渋谷区渋谷東署に急いだ。
私の両親はまだ私が、大学の時に交通事故に合って突然亡くなった。
私は、大学の勉強をしながら弟を大学まで入れ
卒業させた。そして、やっと弟は大手企業に就職し一人暮らしを始めたばかりだった。
埼玉の川越に住んでいる私と離れたところにある
大手に就職して一人暮らしをしてこれからだというのに。
私はきっと人違い。そうだよ人違い……。私はそう思いながらどしゃ降りの中……。渋谷東署まで急いだ。
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