お揃い

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お揃い

井上玲子はいつも通っているエクレアパン菓子教室に向かった。 そして、いつものようにエプロンをしてバンダナをしてマスクをして料理の準備をしてからグループの皆に尋ねた。 「この前のショッピング楽しかったわね。絵理さんがまたここに来たら皆でショッピングしましょうよ」 絵理と同じグループの皆は絵理が心配で俯いていた 「絵理さん。もう疑いが晴れたと思ったから来たのに~まだ警察なの?」 そう尋ねたのは岩田理恵だった。 「何か聞いてない?井上さん?」 そう尋ねたのは同じグループの斎藤加奈だった。 井上は「私は何も聞いてないわ」 そう言った。 石田真理も本宮良子も「大丈夫かしら?まさか暴力とか振るわれてないわよね?」 「大丈夫よ。警察官はそんなに暴力なんて振るわないわよ」 玲子はそう言った。 「そうよね」皆は玲子の言葉に安心していた。 玲子はこんなに同じグループの皆は心配しているのに犯人の筈がない。心の中で確信していた。 玲子はグループの皆が犯人じゃない事を証明する為に聞いた。 「あの~聞きたい事があるんだけど~ショッピングで皆で買った口紅お揃いの~皆持ってるかな?」 「やっぱり何か警察に言われたのね?お揃いの口紅が現場に落ちていたとでも言われたの?皆持ってるわよね?さっさと出して疑いを晴らしましょう」 斎藤加奈はグループの皆に話した。 「済みません実は警察の人にポアロで私達が買ったお揃いの口紅とレシートが麻生製紙工場に落ちていたらしいんです。 でも、私達が買った同じ口紅は今人気の口紅だから同じのを使ってる人なんてたくさんいますものね。それに指紋も付いてなかったらしいですよ。本当は自然に聞いてきてほしいとか言われたんですけど~皆さんを私は信じてますから、私から出しますね。 えっ?ない!さきまで口紅があった筈なのに~ さっき鞄置いてエプロンを付けて~バンダナ付けて~何で?ないの~どこかに落としたのかしら?」 井上玲子は皆で買った口紅を探していた。 斎藤は言った。「井上さんが探している間私達の 口紅を出しましょう」 井上を覗いた四人は口紅を出した。 「私は持ってるわ」「私も」「私も」「私のはこれ」 玲子は言った「皆さんちゃんと持ってるんですね」 四人は「勿論よ。無くしたりなんてしないわ。井上さんまだ見つからないの?」 井上玲子は「はい。どこで落としたのかしら?」 井上玲子は朝鞄に入れておいた筈の口紅はいくら探しても見つからなかった。 その時、斎藤加奈は岩田理恵に言った。 「岩田さん確かあの時、岩田さんだけ二本買ったわよね?もう一つは?」 「そ、それは……。」 岩田理恵は動揺していた。 次の瞬間、斎藤加奈は思いがけない事を四人の前で言った。 「岩田さんあなたが中村哲也君の彼女なんでしょう?私見たのあなたが……。」 岩田理恵は言った。 「斎藤さんあなたまで噂話信じてるのね! そうよ!私は哲也の彼女それでいいでしょう。 私、もう来ないから」 岩田はエクレアパン菓子教室から自分の荷物をまとめて出て行った。 ドスン  教室に来た先生の犬井幸子と走って教室から出ようとした岩田理恵はぶつかった。 「どうしたの?もう始まるわよ?」 岩田理恵は犬井幸子に言った。 「私、もう教室辞めます。絵理さんみたいに事件に巻き込まれたくないんです。ごめんなさい」 「ちょ、ちよっと~何があったの?」 岩田理恵は何も言わずに走って自宅に帰って行った。 玲子はあの人が本当に?哲也の彼女?噂って? 玲子はますます犯人がわからなくなっていった。
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