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あれから
哲也が殺されてから本当の真犯人がわからないまま
10年の月日が経っていた。
玲子は向田刑事が殺されてから哲也の事件は調べるのを辞めていた。
玲子はエクレアパン菓子教室も辞めて細々と小さなアパートで一人暮らしをしていた。
哲也の事を忘れる為に仕事も忙しい営業職を選んで働いていた。
あれからエクレアパン菓子教室で仲良くなった
真理、良子 絵理とは連絡はとらなくなった。
もう、誰かが殺されるのは耐えられないと玲子は思い、自分から距離を取っていた。
そんな細々とした暮らしをしている玲子の元に
チャイムを鳴らす女性が一人玄関の前に立っていた。
「はい~今、開けます」そう言って玄関を開けると玄関の前にいたのは、無実の罪を着せられて刑務所に入っていた「岩田理恵」だった。
玲子は涙を溜めながら理恵を黙って抱き締めた。
「ごめんなさい。せっかくの証拠を増田刑事に取られてしまって……」玲子はひたすら理恵に謝った。
理恵は「もう、いいのよ。でもね私はどうしても
加奈を殺害した犯人を許せないの!
玲子さんあなたも本当は哲也君を殺した犯人を許せないでしょう?あなた整形してるけど、本当は中村玲子さんよね?哲也君の事を聞いていたからもしかしたら?と思ってたの。
私は犯人に罪まで着せられたのよ。
でも、三人の殺人の罪を被った訳じゃ無いから
刑務所から出て来られる事ができたの
私が被った罪は和恵さんと加奈だけだからね。
私と加奈は喧嘩もするけど、親友だったの~長い付き合いだったのよ。学生の頃から内気な私をいつもひっぱって行ってくれてどこにでも遊びに行ったわ。そんな加奈を私が殺す訳ない……」
理恵は加奈を思い出した様子で涙を浮かべていた。
玲子は住んでいる古いアパートの中に理恵を通した。そして、理恵に言った「その通りよ私は中村玲子哲也の姉よだから、哲也を殺した犯人を本当は
今でも許せないの」
座布団に座った理恵はテーブルの上にチラシを置いた。
そして、理恵は玲子に言った。
「今から犬井社長のところに面接に行きましょう。あれから私は刑務所で考えたの。
真犯人の証拠はたぶん犬井誠社長宅に隠されている。だから家政婦として働いて証拠と真犯人を探し出すのよ!
二人で協力して殺された四人の無念を晴らしましょう。犬井家に入れば住み込みだし、もし、犯人が
犬井家で見つかったとしても自宅で私達を殺すなんてことはしないと思うの。
だから、一緒に住み込みの家政婦として働きましょうよ」
玲子は迷っていた。また私の為に死者が出てしまったら?
玲子はそう思うと俯いて何も理恵に話すことができなくなっていた。
理恵はその場で玲子の気持ちを察して
「大丈夫今度は私がずっと側にいるから……」
玲子にそう言って励ました。
そして、その日私と理恵は履歴書をその場で書いて
犬井社長の自宅に電話を掛けた。
そして、その日のうちに私と理恵は犬井社長宅で
面接を受けた。
犬井社長は、私達にこう言った。
「君達は哲也君や和恵さん加奈さん向田警部が殺された時に関係している人達だね?
理恵さんは一度刑務所に入っている。
サングラスを掛けたり変装をして名前は南祥子なんてどうかな?会社の評判に関わってしまうからね。二人とも面接は合格だよ。一週間くらいまでに二人部屋の離れの家政婦部屋203号室に荷物を運んでここに引っ越して来なさい。今、家政婦に案内してもらうから。絵理さん~絵理さん~この二人を離れの家政婦部屋203号室に案内してください。二人共
家政婦の絵理さんから鍵は受け取ってください」
理恵と玲子は社長にお礼を言った。
「ありがとうございます。一生懸命働かせてもらいます」
「では、案内します」
そう言って一人の家政婦が理恵と玲子に近付いて
来た。二人は「これから宜しくお願いします」
そう言って案内してくれる家政婦を見た。
そこに立っていたのは九重絵理だった。
犬井社長は、「びっくりしただろう?九重絵理さんも家で働いてくれる事になったんだけどね。
絵理さんは妻の幸子がエクレアパン菓子教室で気に入ってね家で働いてほしいと頼み込んだんだよ。
相当人柄がいい人なんだろうけどね。妻が気に入ったなら仕方ないしね」
理恵と玲子はずっと連絡をとっていなかった絵理にこんな形で会えるとは思えず、呆然と立ちすくんでいた。
絵理も犯人を探す目的で犬井宅の家政婦になったのか?理恵も玲子は全くわからなかったが、理恵と玲子は犯人を見つけて復讐したいと、考えるようになっていた。
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