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現場
私はもう一度、哲也が自殺したという哲也の会社の前の公園に告別式の次の日に向かった。
私は、そこで哲也の会社の社長が泣いているのを
目撃者した。
私は「社長……こんなところで……お仕事は?」
そう声を掛けた。
哲也の会社の社長犬井誠は私「中村玲子」に気付いて振り向いた。
「いや~みっともないところを見られてしまったね。哲也君のお姉さんに。僕はね~哲也君を昔、
病気で亡くなった息子のように可愛がっていたんだよ。だからね~僕は、うちのホームパーティーに
招待した事もあったんだよ」
私に「中村玲子」はホームパーティーと聞いて社長に尋ねた
「もしかしてホームパーティって哲也が写メを
私の携帯に送ってくれたこのことですか?」
私「中村玲子」は社長に哲也が生前、ホームパーティで酔っぱらってるような感じで顔を赤く染めてる
哲也が映っていた。部屋のまわりには風船などの飾り付けが綺麗に飾られてる壁の側で哲也と同じくらいの若者と哲也が一緒に写メに映っていた。
その携帯の写真を社長に見せた。
社長は「そうそう、これだよ」そう言って泣いていた。
「そうだったんですか~社長の自宅のホームパーティーだったんですね。私は友人達の集まりだと思ってました。こんなに楽しそうに笑っているものですから~」中村玲子は泣きながらこれも見てください
そう言って動画も見せた。
「動画も撮っているんですよ。これです。
楽しいパーティー姉ちゃんを今にお金持ちにさせてあげるよー」動画の中で中村哲也はそう言っていた
その動画に映っている中村哲也は本当に楽しそうだった。
そして私の写メの動画には酔っぱらいながら哲也は、同じくらいの歳の男の子達と今、流行り
らしいダンスを踊っていた。
社長の犬井誠は「本当に楽しそうだ」そう言って
涙を流していた。
私「中村玲子」は社長の犬井誠に聞いた。
「社長私は、哲也は殺されたか?自殺に追いやられたんじゃないかと思ってここに来たんです」
社長の犬井誠も言った。
「そうか、お姉さんも私と同じ考えなんですね。
私もここに証拠を探しに来たんです。
彼は、哲也君は自殺なんかする人間じゃない。
お姉さんを温泉に連れて行ってあげたい。
両親が早くに死んでから姉は俺を育ててくれただから恩返ししたいんだと言っていたんだ。
そんな哲也君が自殺なんてするはずない。
私は犯人を許せない」社長は私にそう言ってくれた。
私は社長に尋ねた「社長~聞きたいことがあるんですが~哲也に恋人はいましたか?会社の中に?それと~失礼ですけど~社長?奥様は?」
社長の犬井誠は言った。
「哲也君に恋人はいないような気がするな~
社内でそんな噂は聞かないけどな~。
隠していたのかな~?それと、うちは妻とはとっくに離婚しているよ。哲也君の自殺の事も元妻には
知らせてないんだ。僕の一人息子の昭平が病気で
死んでから夫婦仲がギクシャクしてしまってね~
それで離婚したんだよ。よくある話だろう」
私は「そうだったんですね~。離婚してたんですね。変な事聞いてしまって済みませんでした。
ところでこの写メのパーティーはどんなパーティー何ですか?」
「これは私の誕生日なんだよ。
私は社員を家族だと思ってるんだ。だからこんなホームパーティーでも皆に声を掛けるんだよ。
その家族が亡くなってしまい。胸が張り裂けそうな気持ちだよ。
何で何も言ってくれなかったのか?ってね。
でも、哲也君のお姉さんこの場所でこれを拾ったんです。もしかしたらこれは何かの証拠になるかもしれません」
犬井誠の手は土で汚れていた。スーツの袖口も
ズボンも土で汚れていた。
私は、犬井社長を見て思った。きっと私よりずっと前からここに来て、哲也が自殺したんじゃない殺されたんだという証拠を探していたんだと確信した。
「このバッチは何ですか?」私は、犬井社長に尋ねた。
「このバッチは、今大人気のパンお菓子作りの教室だよ。うちの社員の女の子もほとんど休日には通ってるって話だったな~。このパンとお菓子作りの教室が関係しているかは?わからないけど、何か分かるかも?知れないね。
それにうちの社員の女の子に聞いたんどけど、
どうやらそのパンとお菓子作りの教室に私の元妻のあき子も通っているらしいんだ~。
もしかしたらこのお菓子とパン作りの教室の中に
哲也君の彼女がいるかもしれない?そう言えば哲也君も生前最近はパン作りに凝っているって言ってたな~。さっき見せてくれたパーティーの時、哲也君顔を赤くして、手にクロワッサンを持っていただろう。そのクロワッサン哲也君が作ったって言ってたよ」
私は「えっ?哲也が~?そう言えば最後の哲也からメール哲也は言ってました。
もうすぐ姉ちゃんの誕生日だろう。その時に俺が
そっちに行って、ケーキとパンを作るからって……」私は涙を堪えながら社長に話した。
社長は言った。「もしかしたら?犯人はこのバッチの教室に通っている誰か?哲也君が誰にも言えなかった秘密の彼女がこの中にいるかも知れない」
私は社長の犬井誠に言った。
「私はこれから、このバッチに書いてあるエクレアパン菓子教室に実際に通って哲也の事を探ろうと
思っています」
犬井社長は「そんな事して君にまで何かあったらどうするんだ?哲也君に申し訳ない。後は警察に任せなさい。このバッチの事を話せば警察も動いてくれるかも知れない」
私は言った。「警察はきっと何を言っても取り合ってくれない。哲也の死を自殺で片付けてしまう。
哲也がこのままでは報われない。社長~私の力になってください」
犬井社長は「わかった。でも、君の顔は告別式の時にばれてしまっている。エクレアパン菓子教室に
通ってもすぐうちの社員にばれてしまうんじゃないのか?それに変な目で見られてしまうかも知れないぞ」
私「中村玲子」は犬井社長に言った。
「私はこれから美容整形手術を受けて別人として
名前も変えてエクレアパン菓子教室に通って哲也の真相を調べようと思います。ある程度調べたら社長にも報告しようと思っています。
ですから社長その時はお願いします。
ある程度パン教室で調べたら社長に協力してもらいたい事があるんです。
会社の中にいるかも知れない哲也が付き合っていた彼女を探して真相を知る為に私を社長の家で
住み込みの家政婦として雇ってください。
お願いします」
犬井誠は「わかった。哲也君が苦しんでいるのに
何もしてあげられなかった。うちには数名の住み込みの家政婦がいる一人くらい増えても何も問題がない。今からでも私は構わないがね」
私は「哲也の言った通りの社長さんなんですね。
社員を家族と言ってる温かい社長~ありがとうございます。私はもう少し、哲也の真相を調べてから顔を変えて名前も変えて、私はエクレアパン菓子教室に入って真相を調べようと思っています。
哲也の友人も協力してくれるみたいですし」
犬井誠は言った「もしかして告別式の時にチャラ
チャラした服装で来た彼等の事かな?彼等を信じていいいのか?中村さんはあの告別式の時、初めて
彼等を見たんじゃないのか?ごめん、話が聞こえてしまってね。急にお金を返せっておかしくないかい?
彼等の中に亡くなった哲也君の彼女がいるかもしれないんだよ?信じない方がいいと思う。
この教室に通うことも、整形の事も名前を変える事も彼等には言わない方がいい」
私「中村玲子」は確かに社長のいう通りかも知れない。でも、私は社長も告別式の日に初めて会った。
そうだ、亡くなった時にお悔やみの電話をしてくれた社員の方は副社長の犬井忍社長の弟だった。
その時社長は海外勤務中だった。
お悔やみの電話さえもくれなかった社長を信じていいのだろうか?
海外だから知らなかった?
でも、今はテレワークの時代。パソコンでわかっているはずだ。それなのに何で電話がなかったのか?哲也を家族といいながら仕事だからと言って
副社長に任せた?本当に社長を信じてもいいのだろうか?
私「中村玲子」は誰を信じていいのか?考えれば考えるほどわからなくなっていった。
社長は「ごめん会議の時間だそろそろ行かないと」
私「中村玲子」は社長に言った。
「今日は、ありがとうございました。社長外国に、出張でも、会議とか社員と話していますか?」
社長は言った。「もちろん話しているよ。社員はか、ぞ、くだからね。それじゃあ」
中村玲子はこの時から社長は信用できない。
なんとなくそう思っていた。
お悔やみの電話が私にかかって来た時、副社長の
犬井忍は社長は外国に出張するとどこにいるのか?
わからなくて連絡がつかないと私に言ったのだから……。
私の本格的な哲也の真相の独自の捜査はここから始まった。
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