51人が本棚に入れています
本棚に追加
聞き込み
中村玲子は公園の周りの聞き込みをはじめた。
幼い子供とその母親らしい女性が数人公園に遊びに来た。
中村玲子は目の前の哲也の会社の事を尋ねた。
子供達が遊んでる公園で自殺者が出たとはとても
言えなかった。
中村玲子が最初に声を掛けたのは髪の毛の長い
モデルのような若いお母さんだった。砂場で子供と遊んでいる優しそうなお母さんに声を掛けた。
「あの~目の前の大きいスポーツゲームアプリを
作っている会社omg株式会社をご存じですか?何でもいいので教えていただけませんか?」
髪の長いスラッとした背の高いその女性は中村玲子に尋ねた。
「あの会社が何か?あなたは?」
中村玲子はとっさに嘘をついた
「知り合いが今度入社するんです。それで私に調べてきてほしいと言ってきたもので。私は探偵をしているものですから」
髪の長いスラッとした女性は中村玲子に言った。
「私ならあの会社に入れないわ。私の弟があの会社で前働いていたのよ。弟は社長に気に入られてね
リーダーに抜擢されて弟は喜んでいたの。でも、誰かに変な噂をたてられてね。一方的にクビにされたのよ」
その時、髪の毛を結んでいる他のお母さんらしき人も会話に入ってきた。
「私もね昔あの会社で働いていたの。でも仕事もしないで社内恋愛でイチャイチャしているとか噂をたてられてクビにされたのよ」
中村玲子は砂場で子供と遊んでいるお母さん二人に改めて尋ねた。
「そんなにクビになって辞めている人が多い会社
なんですか?」
二人の女性は中村玲子に言った。
「そうよ。出入りが激しい会社ね。出世すると変な噂をたてられて出世を邪魔する人がいるのよきっと~あなたが調べてほしいと頼んできた人に出世すると邪魔する人がいるから気を付けた方がいいと伝えた方がいいわよ」
中村玲子は「そうなんですか~わかりました。
今日はありがとうございました」
中村玲子はこの時、会社の影の部分を見たような
気がした。
次に中村玲子は他の幼い男の子と遊んでいるお母
さんに声を掛けた。
「あの~目の前の大きい会社について調べているんですけど~」
幼い男の子を支えながら滑り台で遊ばせているお母さんは中村玲子に言った。
「この前、会社の前を通りかかった時、若い男性が
社長に突き飛ばされて会社の外に追い出されていましたよ。お前!なんてことするんだ!社長はそう言って怒鳴っていましたよ。そして、若い社員は
頭を冷やせ今日は家に帰れ!と言われていましたね。でも若い社員は社長~お願いです。
わかってください。そう言っていましたよ。
社長は認めない!とか怒鳴っていましたけど~」
中村玲子は更に尋ねた。「その男性ってもしかして?この人ですか?」
中村玲子は弟の哲也の写真を公園の滑り台で幼い男の子と遊んでいる女性に尋ねた。
その女性は中村玲子が見せた弟の哲也の写真を見て言った。
「この人です。間違いありません」
中村玲子は愕然とした。もしかして?表向きは
温かい会社でも内側はブラック企業?パワハラが
日常茶飯事?哲也は自殺に追い込まれたのか?
まだ真相はわからない。もう少し探ってから
エクレアパン菓子教室に入会しよう。名前と顔を変えてから誰にも中村玲子だと悟られないように
私は弟を自殺に追いやった犯人。哲也を殺した犯人を絶対に許さない。
社長は絶対に何かを知っている中村玲子はそう確信した。
心の中で中村礼子は、社長のことは信じられない。
中村玲子のイライラした怒りは頂点に達していた。
最初のコメントを投稿しよう!