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悪い子には罰を、良い子には救済を
「その本、面白い?」
学校帰り、金木犀の香り広がる公園で本を読んでいると、突然声をかけられた。
「(なんだ男の人か。)…ミステリーだよ。続きが読みたいの、邪魔しないで。」
「冷たいなぁ、先週の女の子には笑顔で話してたのに。残念だな~僕も結構”可愛い”顔、してると思うんだけどな♪」
思わず顔を上げ、男の方を見てしまった。すると男はニコリと笑った。
パーカーのフードと長めの前髪で、顔をしっかりと見ることができない。しかし、なんとなく顔立ちが整っているのは分かる。
「ねぇ、どうして可愛い子を殺しているの?僕さ、殺すかどうかを顔で決めてる子、初めて見た!とっても気になるんだよね~♪」
バンッと勢いよく本を閉じ、彼を睨みつけた。
「うるさいなぁ!私の何を知ってるの?知らないよね?私に関わらないで、可愛くもないくせに。」
男は目をぱちくりさせ、にやりと笑いながら彼女に言った。
「関係あるよ。だって、君は”悪い子”だから。」
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