【プロローグ】

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 むかしむかし、あるところに、こんな言い伝えがあった。  遠い山が近くに見えると雨。  ツバメが高く飛べば晴れ。  そして……。  彼女が通ると天変地異が起きる。  小さな村にその少女がいた。見た目はなんら変わらない普通の子ども。無口で、愛想のない子。  周りから狂犬と恐れられ、神のごとく(あが)(たてまつ)られた。   疾風迅雷(しっぷうじんらい)  黒風白雨(こくふうはくゆ)    皆、彼女をこう呼んだ……。 『(フォン)(ゴウ)
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