ねぇ。外の空気吸ってみない?

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ねぇ。外の空気吸ってみない?

(もう生きるのが辛い。) 学校に行けなくなって3年が経った。 中学生だった私は、世間的には高校生になった。 高校生になった実感は全くない。 【ノック】 母「湊。今日も駄目そう?」 「…ごめん。お母さん。今日も行けないや。」 母「そっか。うん。じゃあ後でご飯作ってもってくるね。」 「…ありがと。」 (お母さんに迷惑かけまくって生きるより…死んだ方がお母さんの負担に…ならないかな…) 母「そうだ。湊。ちょっと外出てみない?」 「…外?」 母「うん。外の空気吸ってみるだけでも、気分良くなりそうじゃない?」 (…ほんと優しいな…こんな娘を気にかけてくれるなんて。) 母「どう?行ってみない?」 (ちょっとは…変われるかな。) 「うん。…行ってみるよ。」 母「じゃあ、服着替えて準備しててね!」 (…外か…3年ぶりの外の空気…景色…) 母「じゃあ行くよ?」 「…うん。」 母「?緊張してるの?フフッ大丈夫よ〜」 (車だけど…外の景色…写真撮りたいな…) 母「なんか気になるのあった?」 「いや…景色が綺麗で…写真撮りたいなって…」 (なんかお母さんニヤニヤしてる?変だったかな…) 「どうしたの…?」 母「フフッ駄目だなぁ…堪えようと思ったのに…涙出てきちゃった…」 「え?大丈夫…?」 母「あのね。私別に学校なんて行かなくてもいいって思ってたの。でも、世間的には高校にいって就職して…ってでしょ?」 「う…うん」 母「自分の娘には、親の敷いたレールの上を通って欲しくないの。だからやりたいことを見つけて、それを仕事にして欲しいなってグスッごめんね…急に…」 (…そこまで思ってくれてたんだ…) 「…謝るのはこっちの方だよ…」 母「湊?…なんか謝ることあるの?」 「…うん」
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