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「……残念そうだね」
「んー、この前飲んで以来だったから、あれからどうなったのかなぁって、ちょっと気になってたから」
「……そうなんだ」
「あ、杉浦くんと二人で飲んでたんじゃないよ?うちのフジくんと杉浦くんが飲んでたところにあたしがお邪魔させてもらったの」
あぁ、そういえば今日杉浦もライブの途中でそんな事言っていたな。
「……彼氏出来ないって、ぼやいてたって?」
「なんで知ってるの?!もー杉浦くんのおしゃべり!」
隣で顔を真っ赤にして恥ずかしそうに頭を抱えている彼女の姿は、ライブでキレッキレのスラップかましている姿とはまったく別人のようで、ただただ可愛かった。
「焦んなくたって、アミちゃんならすぐ彼氏出来るでしょ」
その相手が、杉浦なら、難しいだろうけど。
「………」
羞恥のせいかアルコールのせいか、赤みの引かない顔で急に黙り込む。
「……アミちゃん?」
マズイ話題だったかなと焦っていたら、アミちゃんは、ゆっくりと話し始めた……。
「……あたしね、実はちょっと前まで、付き合ってた人、いたの……」
「……そうなんだ」
その事実は知らなかったが、アミちゃんは昔からモテる人だったから何も不思議な事ではない。……だけど、その後彼女の口から告げられた言葉はオレにとっても、それなりに衝撃だった。
「その人ね、結婚してて、だから所謂、不倫ってやつ……」
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