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次の日、松下君はきちんと書類を書いて白鳥先生に出してた。本当に図書委員会入ったんだ。馬場は「マジで俺何回も誘ったんだよ、人手不足で大変だったからさ、でもいつも断られてたんだぞ、それが今回はあんなにあっさり」としつこいぐらいに言ってきた。もうそれは何回も聞いたってば。
教室の松下君は相変わらずいつも寝てる。昼休みは図書室が開いてるからカウンター当番をしなくちゃいけないらしいんだけど、松下君が寝てるから馬場は仕方なくひとりで図書室に行ってた。寂しそうな馬場の背中を見てると悠が「そういや結菜さ」と口を開いた。
「修学旅行係はどうなん?」
「いや、本間ちゃんからしおり作れって言われてさ」
「遠足かよ、ウケる」
「ほんとにそれ。で、松下君と組むのもなんかアレだったから」
「アレね、わかる」沙耶が頷いた。
「あたしひとりでてきとーにやっちゃおうと思ってたんだけど松下君が結構やる気で」
「へー、意外」絵梨が言った。ほかの女子も口々に「ね」と頷いてた。
「あたしは調べもの係」
「松下君にこき使われてんだ、ウケる」悠が笑う。
「こき使われてるわけじゃないけどさー」
「でも仲良くやっていけそうで良かったじゃん?」沙耶が言った。
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