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「え、あ、ああ、そうだったかもです」  あー、思い出した。4月ジャンケンで負けて修学旅行係とかいうわけのわからない係になっちゃったんだった。そろそろ何か仕事しなくちゃいけないのかな。めんどくさ。 「修学旅行のしおり作って欲しいんだっちゃ」 「え、小学生の遠足かよ」 「まあそう言わずにさ。行き先京都と奈良と大阪だべ。そのあたりの名物とかまとめといて」 「あー、はい」 「そんで、もうひとりの係がさ」 「え、誰だっけ」 「松下」  うわー、そうだった。あたしは露骨に嫌な顔をした。本間ちゃんはそれを咎めるでもなく苦笑いした。あたしの気持ちをわかってくれたんだと思う。 「まあ、上手く乗せてさ、一緒にやってみてけろ」 「無理っしょ」 「どうしても駄目ならクラスの女子に手伝ってもらってさ、頼めばみんなやってくれるんじゃないか」  あたしは仕方なく「はーい」と返事をして教室に戻った。視界の隅に松下君の影が入り込んで思わず「最悪」と呟いた。  松下君、絡みづらいというか、関わり方がわかんないんだよね。あまり喋らないし、部活とかもやってないし、いつも寝てるし。
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