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きっと20:00になって、来るのは兼かな。
慰めに来てくれるんだろう(笑)
最後にちゃんと逢いたかった…
触りたかった…
抱き締めたかった…
俺が兄貴と智恵を巻き込んだ賭け…
これさえなければって…悔やんでも悔やみきれない…
携帯を開き時計を見る。
19:55。20:00まで後5分。
ヤバい…考えてたら泣きそう。
上を向いて、涙が出ないように、泣いてるのバレないように目をつぶった。
どのくらいそうしてただろう…
フッと首に腕が絡んだ。
あっ…この匂い。
咄嗟に身体を離し振り向く。
「海。逢いたかった」
急いでベンチを周り智恵に抱き着く。
「本物?本当に来てくれたの?」
「本物って(笑)逢いに来たよ。海に」
抱き締める腕に力が入る。
「ちょっ…苦し…」
「あっ…ごめん…嬉しすぎて」
それでも弱められなくて…
「私も嬉しいから、そのままでいい」
智恵もギュッと力を入れて抱き締めてくれる。
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