「ありきたりなプロポーズ」

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「ありきたりなプロポーズ」

 もうめちゃめちゃその気になってた。  超愛しまくる気でいた。  だからゴムの売り切れはかなりショックだ。  できねえじゃん。  そういう意味じゃなくて、って言うのは、明日すればいいとかそういうこと?  それまで我慢しなきゃなんねえの?  なんなら俺は入荷する時間までこのままコンビニにいますけど??  「おまえが別によくても俺がもう別によくねえんだけど」 「だから!別に、なくてもいいって」 「なかったら困るじゃん。できねえじゃん」 「あんた、本当言葉の意味ちゃんと考えてくれない?」   彼女の頬が心なしか染まる。  え?何?今なんか照れるところあった?  愛の言葉とかクソもねえただ俺がもう限界で我慢できねえから絶対セックスしたいですみてえな発言しちまっただけなんだけど、それのどこに照れんの?  彼女のツボが全然わかんねえ。  ひたすら意味がわからなくて彼女の顔をじっと見つめていると、顔はほんのり赤いまんま呆れたように大きなため息をつかれた。  「つまり??」 「あんたさ、全部言わせないでよ、ほんとに」 「わり、全然わかんねえ」   本当に全くもって彼女がどういう意図でさっきからゴムが売り切れでも全然平気そうにしてんのかわかんなくて、って言うか、別にセックスしなくてもいいって言われたことに半ば反発して、少し語尾が強めになってしまう。  そんなわけで、ズバリ拗ねてる感満載で聞いてやる。  
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