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何はともあれ、ペリーニ令嬢は無事に宮殿へ辿り着き、準来賓の間へ通されます。
ペリー二は今夜、皇帝の妻になる自分が準来賓の間に通されたことが少し不満な様子で、少し不機嫌になります。
しかし、来賓の間は本来、他国の王や王妃といった王族が訪れた時の部屋です。側室の、しかも伯爵家の娘に使わせることは出来ません。
伯爵家から付いてきたメイドも、突然不機嫌になる令嬢に少し慌てながらも
「大丈夫ですよ!時期に素晴らしい宮殿が与えられますから!」
と意気込みます。
まあ、そうね、と納得したペリー二は早速我が物顔で、待機していた皇宮のメイドたちを呼び出し、
「今夜の主役は私よ。この私が皇帝陛下の寵愛を一瞬で奪えるほど美しく華やかに仕上げてちょうだい。」
いいわね?皇后様より見劣りするようなものを着せたらお父様に言いつけてやるんだから、と幼い子どものように宣言し周囲を困惑させます。
これはとんでもない刺客が来た…と一同が怯え、どうかこの平穏な日々が失われませんように、と心の中で願うのです。
もし本当にこの女性が、寵愛とはいかなくても、地位を手にしてしまったら今までのようにはいかない、と長年の後宮仕えの勘が冴えるのでした。
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