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僕はこれから、谷底へ兄さんを迎えに行きます。兄さんが僕なんかに殺されるはずがないんですから。兄さんは僕が自分の代わりになれるとでも思ったようですが、そんなわけないんです。たとえ本当に江藤一と香川康太が同一人物であっても、香川康太は江藤一には勝てない、だから兄さんは特別なんです。彼だってそれを理解しているはずなのに、簡単に諦めて僕に殺されるなんて許さない。姉さんの約束された幸せを壊すだなんて許さない。
この遺書を姉さんが読むことはないでしょう。それでいい。こんなもの、あなたにとって呪いでしかないんですから。
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