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『第4話』
くまさんの指導による箱折り作業は、延々と続いたのである。
まさに、遅々とした進歩ではあるが、始まる前に比べれば、いくらかは、ましになったような気もしたのであった。
『ぎゅわ。やましんさん、りっぱくま。年齢から考えれば、なかなかの進歩くま。』
『いやあ。ははははは。』
本人は、たいして進歩していないような気がした。
まあ、衰えないようにすることが、大切であろう。
少なくとも、退歩はしていないようだ。
そう、思えただけでも、進歩かもしれない。
ぼくは、あなぐま先生のところに戻った。
『報告は受けています。なかなか、がんばったようですな。けっこうです。では、つぎに、また、ねずみ先生と、分数の計算練習と、かけ算わり算の復習ですな。なにごとも、繰り返しが大事。たくさん、数をこなすと、より早くなります。少し、スピードをあげる訓練をしましょう。なに、あなたなら、できる。』
中学生時代、そう言ってほしかった。
一回で良かったんだけどね。
たくさんは、望まないよ。
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次回、最終回。
次回が、遠い。(8月28日)
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