『第5話』最終回

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『第5話』最終回

 さて、あなぐま先生たちの教育は、やましんに、効果があったのかしら。  そこんとこは、技術的には、良くわからない。  でも、きちんと、卒業式が行われたのだ。  あなぐま先生はじめ、指導してくださった面々が、ずらりと並んでいた。  『卒業証書。やましんどの。あなたは、自身の不器用さに何度も直面し、しばしば、絶望し、厳しい場面を迎えてきました。しかし、あなたは、人生を投げ出すことなく、生き抜いてきました。ここで学んだことは、ほんの少しの助けにしかならないでしょうけれど、あなたが、ご自分なりに、最後の日まで、凛々しく生き抜く役に立てば最高です。あなたは、かならず、生き抜くでしょう。我々は、あなたのここでの努力を讃え、全課程を終了したことを、認め、『不器用騎士』、と名乗ることを許します。  あなぐま歴 十万二千二百三十一日。     あなぐま技術大学学長 あなぐまいちろ  おめでとう。  わ〰️〰️〰️〰️〰️☺️  拍手〰️〰️〰️〰️〰️〰️〰️〰️〰️😃     ・・・・・・・・・・・・・    それからも、仕事には就かず、年金で、ぼそぼそと生きていて、だんだん、逼迫はしながらも、なんとか生活は維持し、なんとなく、『不器用騎士』の名誉に恥じないよう、不器用も、器用の内と思い、まだ、生きております。         🐙  その後、あなぐま技術大学からは、授業料の請求が来ました。  料金は、たこ焼き10こいり、パック五箱、でありました。  森の中に、払いに行きました。  あの学校は見当たらなかったものの、りす事務長が現れ、たこ焼きを、山みたいに抱えて、走り去りました。        おしまい    
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